-新NISA-月の積立額の最適解は?

2024年に始まる新NISAの開始まで2か月を切りました。

これまで年額40万円だった投資可能額が、最大で360万円に拡大されます。月額に換算すると、月3万3333円から、月30万円まで大幅に増加することになります。

資産を増やす効率だけを考えると、年始360万円一括投資が大正解になります。

ですが、多くの人は年始360万円一括(月額30万円)の投資は難しいと思います。

実際の家計状況と照らし合わせて、2024年の新NISAでは、月々いくら投資すると良いか考えていきます。

30代の4人家族の片働き世帯を想定

この記事では、前提として30代の4人家族で片働き世帯を想定して、月別の投資金額の最適解を考察していきます。

単身世帯や共働き世帯などは支出や収入も異なることかと思いますが、金銭面については想定よりも余裕があることが考えられますので、この記事での解説よりも投資額を増やしていくことが考えられます。

夫のみ働く世帯の1年間の収入は?

総務省の「家計調査報告(家計収支編)二人以上の世帯」別ウィンドウで開きます の2022年調査によると、夫のみが働いている世帯の1年間の収入は677万520円となっています。月平均にすると56万4210円。(共働き世帯における1年間の収入は831万1968円です。)

同調査によると、この収入から税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は、4人家族の片働き世帯(夫のみ働く世)では月45万464円となります。(共働き世帯(妻の月収8万円以内)では月56万2718円、妻の月収が8万円以上の世帯では月63万2196円です。)

4人家族の生活費(消費支出)の平均は30万8,402円です。この金額を可処分所得から差し引くと14万2062円が月に手元に残る金額となります。

手元に残るお金は約14万円

生活環境によっては車を必要とする人にはガソリン代を始めとした維持費が掛かったり、子どもの年齢によっては食費が掛かったりします。

また、趣味や遊興費に多めにお金を支出すると手元に残るお金も少なくなってきます。

ですので、各家庭を取り巻く状況によってはこの金額は変動してくることが十分に考えられます。

この14万円という数字は、一般的な家庭が節約や倹約を行った末の最大値と捉えてよいでしょう。

この14万円という数字から、各家庭における遊興費や趣味などのその他支出を勘案して、投資に回すことのできる金額を試算してみてください。

我が家では、週末のお出かけが恒例となっていますので、ここから3万円程度減り、月11万円(年額132万円)が手元に残る投資資金となります。(こうしてまとめてみると、我が家では結構妥当な数字が出てきました・・・

月々の投資額の最適解は?

最適解を探っていくためには、投資の目的を明確にしておく必要があります。

当ブログでの投資目的の最優先事項は教育資金の確保です。まとまった金額が必要となるであろう20年後に向けた資産形成を目指しています。

投資額の最適解を探っていくために、金融庁の「資産運用シュミレーション」を用いて「積立額別の利益と総額」と投資目的を比較していきます。

このシュミレーションでは、毎月1万円、3万円、5万円、10万円を年利5%で30年間投資した場合の資産推移について掲載していきます。

それらの結果と皆さん自身の目的と照らし合わせて、最適解を見つけ出して欲しいと思います。

※年利5%という数字は、投資におけるリターンを試算する際によく用いられる数字です。この数字は株式60%、債券40%のポートフォリオで資産運用した際に得られる期待リターンです。

月1万円の積立をしたら・・・利益472.3万円 合計832.3万円

毎月1万円を積立した場合は、以下のグラフのようになります。

その合計金額は832万円となり、老後の何らかの購入資金の足しにすることができそうな金額です。

利益だけでも472.3万円となり、男性の平均年収1年分とほぼ同じ金額を得ることができることになります。

一方で、老後の生活資金とする場合は若干心もとない金額かもしれません。

金融庁の「資産運用シュミレーション」より引用

月3万円の積立をしたら・・・利益1,416.8万円 合計2,496.8万円

毎月3万円を積立した場合は、以下のグラフのようになります。

1万円の場合と比べその額が大きく増えました。老後2000万円問題も解決できる金額です。

金融庁の「資産運用シュミレーション」より引用

月5万円の積立をしたら・・・利益2,361.3万円 合計4,161.3万円

毎月5万円を積立した場合は、以下のグラフのようになります。

利益だけで2000万円を超えてくる積立額となりました。我が家で想定すると、教育資金や老後資金を賄えるだけの金額となります。

金融庁の「資産運用シュミレーション」より引用

月10万円の積立をしたら・・・利益4,722.6万円 合計8,322.6万円

毎月10万円を積立した場合は、以下のグラフのようになります。

この想定は、これまでの積立と若干条件が異なるので番外編としてご覧ください。
ここでは、夫婦ともにNISA口座を利用し、月5万円ずつ投資した場合です。

NISA口座は一人あたりの上限が1,800万円と決まっています。その枠を夫婦で活用する場合の想定です。

この場合、合計は8322万円と老後資金としては余りある金額となりました。

金融庁の「資産運用シュミレーション」より引用

金額別の比較

雨の日ブログが作成したグラフ「積立額別の30年間の運用益と総額」

30代の投資月額は5万円が最適解

くり返しになりますが、投資金額の最適解は投資目的によります。その中でも、投資額の最適解は「月5万円」になるかと思います。

理由の一つ目は、先にも述べたように、平均的な4人家族世帯における可処分所得や消費支出から勘案して、5万円という金額は無理し過ぎずに支出できそうな金額であること。

理由の二つ目は、5万円を30年間積立投資することで利益と元本の合計は4,160万円となり、教育資金と老後資金の確保に足る金額を築けること。

そして最後に、30代で30年間5万円の積立投資を行っていくと、退職するタイミングで個人の限度額である1800万円のNISA枠を丁度埋めることができるためです。

最後に -お金は使うためにある-

よく投資は「資産の未来への先送り」と言われます。これは、今使うことのできるお金を未来の自分のために先送りするという意味です。

ここで考えなければならないのは、何十年後にそれだけのお金が必要かということです。

私であれば30年後は定年退職を迎えていますし、子どもたちも家を巣立っていることでしょう。そのような年齢で毎月10万円を先送りして得られた8000万円もの大金は不要です。

であれば、30代の今でしかできない体験や経験、思い出にそのお金の一部を使っていきたいと考えています。

お金は使うためにあります。お金が増える、貯まるという魅力に支配されず、お金を皆さん自身の人生を豊かにするための道具として、価値のある活用をしてください。

我が家は、2024年のNISA枠では月10万円の積立投資を行っていく予定です。

今後、子どもの成長に伴って家計の支出も増えると見込んでいます。ですので、0歳と2歳の2人の子どもが幼い間に余った資金は投資に回しておこうという算段です。

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